9/17(火) 9:26配信
避妊具や溶け切らないトイレットペーパーのカスが浮遊
――下水の処理方法が問題なのですか。
それだけではありません。調べてみて分かったのは、下水管がパンクしてしまわないように、管の最終的な「出口」に至る途中に、排水を外に逃がすための穴が計700カ所に開いています。ホースの途中に穴が700個開いているイメージで、穴から排出された水は浄化されないまま川に流されてしまうのです。東京港を行き交う屋形船や水上バスなどが、船内に設置されたトイレからし尿を外に流している可能性があることも分かっています。
――東京五輪で、選手は“ドブ”のような海で泳ぐことになるのではないでしょうか。
通常、海水の塩分濃度は3.5%といわれていますが、お台場は1%程度で、あまりしょっぱくない。それだけ、淡水である生活排水などに満たされてしまっているということです。生活排水に水質が左右されるわけですから、お台場は「海」というより「海水が混じっている場所」と捉えるべき。組織委は「昨日は大腸菌が多くて無理だったけど、今日は少なくなったのでOK」などと説明していますが、そもそも何が流れてきているのかよく分かっていないのに、おかしな話ですよ。
――トライアスロンの会場としてふさわしくないことを、組織委は分かっていたんでしょうか。
もちろん、把握した上で選んだのでしょう。理由は「景観」です。レインボーブリッジや豊洲市場周辺など「絶景スポット」をあえてコースに組み入れている。それ自体、いい宣伝になるとは思います。しかし、いくら絶景でも選手が泳ぐ海の水質は最悪です。東京の海の衛生をアピールするためにも水質浄化に取り組むべきなのに、それは一切なされていない。ただ、三重のフェンスを設けるといった予防策のみ。上っ面の対策です。
――「合流式」となっている都内の下水処理施設を、雨水や生活排水を別々に処理する「分流式」に切り替えれば、抜本的な解決になると報じられています。しかし、改修には10兆円超の費用と50年以上にわたる工期がかかるといわれます。しかし、大会は来年7月。対策はあるのでしょうか。
伊豆諸島に位置する離島「神津島」の砂を大量に運び入れ、お台場の海底に敷き詰めたらいいと思います。現在、お台場の海の底にはヘドロが堆積していて、黒いバケツに水を入れているような状況です。神津島のきれいな白い砂を敷き詰めれば、水はかなりきれいに見えますし、浄化機能も期待できる。神津島は山が徐々に崩れ、港が大量の砂に侵食されつつあります。現地は砂を投棄したいくらいですから、きれいな砂が欲しいお台場の海とは「ウィンウィン」の関係が成り立つ。コストは砂の運搬費くらいでしょう。
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https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190917-00000006-nkgendai-life&p=2
屋台船、水上バスのトイレ、海に垂れ流し
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